僕はiPhone、iPad、MacBook Proを使っている軽度のApple信者ですが、Apple Watchを手放してSUUNTOのスポーツウォッチに買い替えました。
※書いている人は70km超のトレイルランニングを3回完走しているぐらいのランナーなので、そいつの意見であることを念頭にお読みください※
Contents
Apple watchの良かった所
まずはApple Watchの良かったところを挙げておきましょう。恐らくiPhoneユーザーの95%にとってはApple Watchが最良の選択になるはずです。
Apple Watchだけで音楽が聴ける
個人的に一番良かったのはここです。Apple WatchとBluetoothイヤホンだけで音楽を聴きながらランニングできます。本体に16GBの容量があるので少々の音楽を入れても問題ありません。またセルラーモデルであればストリーミングも可能です。同時にランニングのトラッキングも出来ますし、ラップ毎のアナウンスもBluetoothイヤホンから聞けるのでランニング装備としては最高でした。
画面の綺麗さ
これはSUUNTOを買ってから思ったことですが、画面は綺麗でした。SUUNTOはスマートウォッチ以前にロングバッテリーを重視したGPSウォッチなので比較すれば当然と言えば当然ですが。
操作性
これも同じくSUUNTO購入後に感じたことです。あのApple Watchの小さな画面にアイコンがびっしり並んでいるホーム画面でも、iPhoneと同様に思ったところをタッチできる操作感はさすがAppleという感じでした。
カスタマイズ性
文字盤が選べて色も変えられたり、様々なアプリを入れて機能を拡張できたり、そういう自分好みにできる楽しさはiPhone譲りです。文字盤上で表示する項目を選べるのも自分仕様に出来て良いです。ただこれは購入当初は嬉しくて変更していましたが、一度固定した後はそんなに頻繁に触りませんでした。面倒なのでアプリもわざわざ探していません。
Apple Payが使用可能
左手の手首上側をかざせば支払いができるというのは結構未来感があります。これで支払いが出来ればランニング中もお金を持ち歩く必要がありません。ただこれもスマホの方がタッチしやすいことが多いので個人的にはあまり使わなかったですね。
コスパ
上の機能の他にも心電図機能や、音声入力でメモが取れるとか、ペアリングしているiPhoneのカメラを遠隔操作できるとか、”やや便利”な機能が沢山あります。そもそもアプリが入れられるのでその可能性は無限大ですし、それで5万円弱(Wifiモデル)という価格はGPSウォッチと比べると格段にお得感があります。
そういう意味で、ほとんどの方にはApple Watchがオススメです。
Apple Watchの良くなかった所
では何故、僕はわざわざ出来ることが少ないSUUNTOのGPSウォッチに買い替えたのか。一番大きかったのは製品のテイストの違いです。
万能ゆえのプレーンさ
これが買い替えた最大の理由です。Apple Watchはなんでも出来る万能ウォッチです。ケチの付け所はほとんどなく、売れているのも納得の万人受けするスマートウォッチです。だからなのか、いつしか”つまらない”と感じるようになりました。付ける喜びがなくなっていったのです。
腕時計はスマホやタブレットと違って身に付けるものなので、自分の趣味がより強く反映されます。例えば高級腕時計が好きだったり、G-SHOCHのタフさが好きだったり、自動巻の機械っぽさが好きだったり、色々な個人の好みがあって腕時計にも色々なテイストがありますよね。つまり腕時計という製品には「自分に合ったテイストのものを身に付ける」という楽しさが大切だと思います。ですが、僕にはApple Watchのテイストが分かりませんでした。
スマートウォッチの未来感というものがApple Watchのテイストなのかもしれません。でも率直に言ってどの機能も僕にとっては「あれば便利」程度で物珍しさもしばらくしたら失せましたし、スマホのように「ないと困る」というレベルに至っていませんでした。
言ってしまえば「あれば便利がいっぱい詰まった製品」で、それと「”アスリート向けGPSウォッチ”という明確なコンセプトを持った製品」を見比べた時、僕にとってはSUUNTOの製品の方が魅力的に見えてしまったというのが買い替えに至った最大の理由です。
要は下の動画を見比べてどっちがワクワクするか?という話です。
SUUNTOの方がワクワクした!という人は僕寄りです。仲良くしましょう。
※念のためここでもう一度書いておきますが、全長160km、制限時間48時間のトレイルランニングレース”Ultra Trail Mt. Fuji”、通称UTMFに憧れるぐらいのランナーが書いています※
最大の理由を書いてしまったのであとは蛇足感がありますが、使用時に気になっていたポイントは全て紹介しておきます。
毎日の充電
毎日充電するモノを1つ増やすと言うのは若干ながらストレスです。ランニング等をしなければ丸2日は使えますが、ギリギリになるのも嫌なので基本は毎日充電していました。
スマホだと夜間に充電しておけば良いですが、スマートウォッチの場合、睡眠のトラッキングをしたり朝のアラームに腕時計のバイブを利用する時は装着して寝ます。そうなると寝る前までに満充電にしておきたいのですが、そこに配慮が必要というところがあまりスマートじゃ無いですね。
存在に気を遣う
いつもながら美しく作られたApple製品です。防水性も問題ないと謳われています。が、そのスマホ然とした佇まいにはどこか繊細なイメージを持ってしまいます。腕時計に気を遣わなければならないのも、雑な僕としては馴染みませんでした。
面倒な設定
カスタマイズ性の裏返しですが、設定をしたりWatch OSをアップデートしたりが面倒に感じる場面がありました。
最初はスマートウォッチを体験する嬉しさがありました。でもそれに慣れてしまった後、僕にとっては特にApple Watchに固執する魅力がなかったということになります。唯一、iPhoneなしで音楽を聴けることは惜しかったですが、どうにもならない話ではありません。
SUUNTOの良いところ
さて新しく迎え入れたSUUNTOのSPARTAN SPORT。気持ち的にばっちりハマってます。
SUUNTOというブランド
Apple Watchに腕時計としてのコレジャナイ感を感じていた自分にとって、刺さりまくるコピーが満載で、改めて感動しました。
SUUNTOの製品
最も高い山から最も深い海まで
引用元:SUUNTO公式ウェブサイト
良いね、良いね。
当社のブランド SUUNTOについて
冒険のパイオニア精神は、Suunto創設者のトーマス・ヴォホロネンが、オリエンテーリングスポーツのためのより正確なコンパスを開発した、1936年から当社のDNAの中に存在しています。
引用元:SUUNTO公式ウェブサイト
私達は何十年もの間、最も高い峰々に登り、最も深い海を探索し、限界を押し広げてきました。そして人々の冒険の夢を実現することを可能にしました。
一方冒険というものは、遥か彼方の場所まで身体的限界を押し広げる事だけではありません。冒険の探求とは、私たち全員が共有する本当の意味での心の持ち方なのです。それは、新しい体験なのです。大きくても小さくても、挑戦のレベルにかかわらず、出かけて行きましょう。
毎日の冒険に飛び出しましょう。
飛び出しましょう!!
見た目
しっくりきました。シンプルで美しさがありながらボリュームとタフさを兼ね備えた秀逸なデザイン。ビバ・フィンランド。ビバ・北欧。なんだかんだ言って北欧ブランドのデザインセンスは日本人と親和性がありますよね。
耐久性に対する信頼感
実際に過酷な状況に行ってませんし、行く機会もあるか分かりませんが、こういうエピソードがApple Watchにはない安心感を与えてくれます。
マルチスポーツのトレーニングやレースで実証された耐久性Suunto Spartanウォッチは、あらゆるアスリートのニーズを満たすように設計・製造されています。それぞれのウォッチは、トレーニング中に遭遇する可能性のあるあらゆる状況に耐えられる素材を使用して製造されており、Suuntoのテストチームと世界中のアスリートたちによって実際の使用環境下でテストされています。Suunto Spartanは、ありとあらゆるアドベンチャーでいつもあなたを見守ってくれる信頼できるコンパニオンです!
引用元:SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR
先ほどの動画の内容もですが、こういうのを見て「あ、俺はこれを買うべきだったんだ」って思わされましたので、SUUNTOのマーケティングはとても優れていると思います。でも一度浮気をしました。すいません。
あと引用部分の最後に「信頼できるコンパニオンです!」とありますが、製品のコンセプトが明確だからか僕にとってSPARTAN SPORTは本当に”相棒”という感じがします。一方、Apple Watchは”優秀な秘書だけどちょっと気を遣う間柄”って感じでした。伝われ、この感覚。
充電長持ち
毎日充電しなくても大丈夫です。GPSを作動させなければ充電しなくても5日は軽くもちます。今度実測してみます。
常時点灯
Apple Watch Series 5では常時点灯になりましたが、こちらも常時点灯です。
当たり前ですが、機能は断然少ないです。だがそれが良いというやつです。だってアスリート向けGPSウォッチですから。
SUUNTOの良くない所
これは先にApple watchを買ってなかったら全然気にならなかったでしょう。双方の違う点という意味で悩める方のご参考まで。
タッチパネルがあんまりスムーズじゃない
Apple WatchはiPhoneの操作感に近いですが、SUUNTOのタッチパネルはそこまでヌルヌル動きません。ただ機能は絞られていてApple Watch程操作しませんし、ボタンもあるのでそこまでヌルヌル動く必要もないでしょう。
画面の発色
画面の発色はApple Watchと比べると良くないです。さらにウェブサイトの画像から想像していたよりカラーの部分の色が薄かったので、ここはちょっと残念だったポイントですね。
通知のバイブ弱め
通知はiPhoneの通知バナーの内容がそのまま表示されるスタイルです。音を消して、バイブ通知だけに出来るのですが、振動が一瞬でちょっと短いです。長さを調整できると良いですね。
音楽は聴けない
知ってた。iPhoneに任せよう。
まとめ
GPSウォッチはスマートウォッチと比べると機能面で見劣りする部分はあります。このスマートウォッチ揃い踏みの状況で、少ない機能を受け入れてでもブランドや商品コンセプトを取る人は少数派でしょうから、大半の人はスマートウォッチを選ぶ方が幸せになれるでしょう。今回の場合、Apple Watchの方が多機能なのでSPARTAN SPORTよりお買い得だという考えは今も変わりません。
でもやっぱりスマートウォッチも”腕時計”なので自分の趣味に合うものを付けたい。そして自分にとってはApple Watchより合うものが他にあった。それがApple Watchを買ってみてわかったことでした。
ということで僕からのアドバイスです。
理詰めではなく好きなものを買いましょう。そして気に入らなかったら手放しましょう。試さないと分からないことは沢山ありますね。